ハドリアヌス帝の回想7ー永遠の都

ローマが「永遠の都」と言われるようになったのは、いつから誰によってでしょうか。
建築にも造詣が深かったハドリアヌスは、多くの建物を再建しました。
その想いには万人の憧れとなる街を築き上げることが念頭に置かれていたとうかがわれます。

Je tenais à ce que la plus déshéritée des créatures, l’esclave nettoyant les cloaques des villes, le barbare affamé rôdant aux frontières, eût intérêt à voir durer Rome.
もっとも恵まれることうすき者たち、街の下水を掃除する奴隷や国境付近をさまよう飢えた蛮人たちさえもが、ローマの存続を願うようなふうに、国造りをしようと決意していた。

Marguerite Yourcenar, Mémoires d’Hadrien(『ハドリアヌス帝の回想』 多田智満子訳)

以前イタリアに行ったときはまだこの本のことやハドリアヌス帝のことをよく知らなかったため、
ローマからティヴォリまで足を伸ばしたのにもかかわらず、
ハドリアヌス帝の別荘であるヴィッラ・アドリアーナは外してしまいました。
なんとも残念なことをしてしまったと深く後悔。
コロナ禍のこの時世、次に訪れることができるのはいつのことかと思うとなおさら残念に思われます。
それでもティヴォリで訪れたヴィッラ・デステ(写真下左)とヴィッラ・グレゴリアーナ(写真下右)が
素晴らしかったことは少しの慰めでした。うららかな日のエクスカーションにはどちらもおすすめです!

 

何度行っても発見のあるローマはやはり永遠の都かもしれません。
現地に行くことが難しい今、本で予習しながら行ったつもりで楽しむことにします。

      

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