小児がん支援と「希望の足」プロジェクト
かつて数年間、イラクの小児がんの子どもたちや、シリアで難民となった人たち、
そして東日本大震災により被災した福島の人たちを支援するNGOに在籍していました。
基本的には東京事務所での仕事でしたが、
「支援に携わるスタッフは現地のことも知っておくべき」
という組織の貴重なポリシーのもと、
私もイラクやヨルダン、そして福島に行く機会に恵まれました。
初めてイラクのアルビルに行ったのは2011年の11月。
アルビルはイラク北部にあるクルド人自治区の中心都市です。
ここで支援先であるナナカリ病院を訪問しました。
この病院での支援はおもに不足しがちな抗がん剤などの医薬品支援や感染症対策などでしたが、
当時はさらに入院している子どもたちのために院内学級を開設するプロジェクトを推進中でした。
小児病棟には白血病と闘うたくさんの子どもたちがいます。
各ベッドを訪れ治療の痛みを紛らわそうと色鉛筆や折り紙を日本からのお土産に渡しましたが、
そのときに差し出される子どもたちのやせ細った手首は忘れられません。
病気と治療の痛みの中でも何人かの子どもが見せてくれた笑顔は本当に嬉しいものでした。
ちなみに各病室の前には手を消毒するための消毒液がちゃんと配置されていました。
コロナウィルスの影響で今やどこの店先でもよく見られるグッズですが重要な感染症対策です!
次に訪れたのは2014年6月から7月にかけてです。
このときはアルビルを訪れた後にヨルダンも訪問しました。
当時の支援のひとつに「希望の足」プロジェクトというものがあったためです。
このプロジェクトはヨルダンとシリアの国境から運び込まれてくる負傷者を
ヨルダンの病院やリハビリセンターへ送る交通手段をサポートするもの。
いつもは病院とリハビリセンターの間をバンで送迎する運転手のエマッドさんに、
このときは負傷者の人たちとともに義手や義足を作る作業所へ連れて行ってもらいました。
私にとっては初めてのアンマンで右も左もわからないところ、
待ち合わせは「宿の通りのあたり…」といった漠然とした約束にとても不安を感じていましたが、
わいわい男の子がたくさん乗ったエマッドさんのバンがゆるゆるとやってきて、
お互い「あれだあれだ」みたいな感じで始まった初対面はとても明るく楽しいものでした。
腕や足を失った彼らはそれぞれのストーリーを持っています。
やがて大人になるにつれ新たな困難にもぶつかるかもしれません。
それでも今の明るさを失わず強く生きていって欲しいと心から願うばかりでした。
こちらのブログに、この活動(+α)のもっと詳しいご紹介があります。
またこうした支援や子どもたちのことも、JIM-NETのブログに詳しく書かれています。
◆ イラクの小児がん支援
◆「希望の足」プロジェクト
このNGOのホームページには、現在も続く支援の状況が多くアップデートされていますので、
ご興味お持ちくださった方はぜひ一度ご覧ください。